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体外診断用医薬品と検査試薬について

医学の進歩とともに、バイオマーカーの研究においても日々新しい知見が得られています。現在、臨床現場で活用されているバイオマーカーはすでに数えきれないほどあり、研究段階のバイオマーカーもたくさんあります。

研究段階のバイオマーカーが実際の臨床現場で使用できるようになる過程についてお話します。

研究段階で、高い利用価値があると判断し、広く国内の保険医療施設でも検査が行えるようにしようと考えた場合、独立行政法人・医薬品医療機器総合機構(PMDA)に相談して、審査を受けることになります。PMDAは大変厳しい基準で審査をしており、体外診断用医薬品(IVD)の承認を獲得した上で、審査を通過したものだけが保険収載されて保険医療施設で扱うことができるようになります。保険診療と自由診療の混合診療が原則認められていない日本では、保険医療施設で受けられる検査は基本的にIVDの承認を受けた検査のみとなっています。IVDではない検査を、検査試薬(RUO)もしくは、薬事未承認検査(LDT)と呼びます(ただし、日本にはLDTという概念はありません)。

国民皆保険制度の日本ではIVDの承認を得ることは、保険収載及び、薬価収載を図ることとほぼ同じです(全国の保険医療施設で受けられる検査にすること)。海外では、IVDの承認を受けることと保険収載を狙うこととは別、と考える国もあります。基本的に保険診療しか受けることのない日本国民にとって、保険収載されていない検査(自由診療の検査)は感情的に信用されない傾向が強いかもしれません。なお、弊社で行う血中ウロモジュリン測定機器はRUOですが、欧州ではウロモジュリン測定機器がIVDとして認められている国もあります。

検査がIVDとして承認されると、安価に全国の医療機関で受けられるようになるため、国民にとってメリットは大きいです。しかし、承認を得るためには、承認審査のために治験を実施しなくてはなりません。つまり、治験に係る多数の協力者や多額の費用などが必要とされます。この際、治験等に係る費用(一般的には数億円)は自分たちで捻出する必要があります。さらに、保険収載されると、検査自体は普及する一方で、検査費用が低く抑えられてしまうため、検査開発会社はそのコストバランスを考える必要があります。日本ではRUOからIVDまで持ち上げるのはかなりハードルが高いとされています。

弊社で扱っているウロモジュリン測定機器は、日本を代表とする抗体試薬メーカーの株式会社免疫生物研究所にて厳格な管理体制の中で製造と精度管理が行われています。弊社で行う腎ドックでは、IVDとRUOの両者を用いた多角的かつ総合的な評価をしていきます。

<関連リンク>

バイオマーカーとは

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