腎機能とは
- 臼井亮介

- 2024年6月1日
- 読了時間: 3分
更新日:2月19日
こんにちは。株式会社レノプロテクト代表の臼井亮介(日本腎臓学会専門医・指導医)です。
腎臓が担っている仕事は多岐にわたります。老廃物を尿として排泄するだけでなく、電解質や酸塩基平衡の調整・血圧の調整・活性型ビタミンDの産生・造血ホルモンの産生等の働きをしています。
ここでは、いわゆる腎機能である、糸球体ろ過量とその検査について分かりやすく解説していきます。
腎機能(GFR)とは?その定義と測定方法
腎機能、つまり糸球体ろ過量(GFR:Glomerular Filtration Rate)は、「1分間あたりに腎糸球体を通過する血液量」として生理学的に定義されます。これは腎臓がどれだけ効率よく血液をろ過できているかを示す、非常に重要な指標です。
腎機能を評価する方法には、大きく分けて以下の2つがあります:
・実測腎機能検査
実際に腎機能を測定する方法で、代表的なものに「イヌリンクリアランス法」や「クレアチニンクリアランス法」があります。
・腎機能推定マーカー
血液中の物質の濃度から腎機能を推定する方法で、「クレアチニン」や「シスタチンC」が用いられます。
実測腎機能検査の現状と課題
現在、日常診療の現場で実測腎機能検査が行われることはほとんどありません。真の腎機能を測定するには「イヌリンクリアランス検査」が必要ですが、この検査は点滴による薬剤投与、頻回な採血・採尿が必要で、手間も費用もかかるため、実施できる医療機関はごく限られています。実際、検査経験のない腎臓専門医も少なくありません。
一方、「クレアチニンクリアランス法」は蓄尿が必要なものの、イヌリン法よりは簡便です。しかし、現在は保険適用外となっており、腎機能評価を目的とした実施はできません(他の目的での実施は可能です)。また、この方法では実際の腎機能よりも2〜3割、場合によっては倍近く高く評価されることがあり、過大評価のリスクがあります。
それでも、推定値(eGFR)だけに頼るより、実測値を得ることには大きな意義があります。
腎機能推定マーカーとeGFRの意義と限界
診療の現場では「正確な腎機能がわからない」では済まされません。そこで登場するのが、腎機能推定マーカーです。これらは、腎機能が低下すると血液中に蓄積される性質を利用して、腎機能を間接的に評価します。
ただし、クレアチニンやシスタチンCは腎臓そのものとは無関係な物質であり、その血中濃度は筋肉量や炎症、甲状腺機能などの影響も受けます。そのため、これらの濃度から算出される「推算糸球体ろ過量(eGFR)」は、あくまで近似値にすぎません。
たとえば、最も一般的な「クレアチニン換算eGFR」の正確度は、約75%の人が実測GFRの±30%の範囲に収まる程度とされています。つまり、一定の誤差があることを理解したうえで活用する必要があります。
より正確な腎機能評価のために
真の腎機能に近い情報を得るためには、複数の指標を組み合わせて評価することが望ましいとされています。株式会社レノプロテクトの腎ドックでは、腎機能推定マーカーとして「クレアチニン」「シスタチンC」「ウロモジュリン」の3項目を基本検査とし、さらに無料オプションとして「クレアチニンクリアランス検査(実測)」もご提供しています(※医療機関によってはオプション検査の取り扱いがない場合もあります)。
関連リンク
・ウロモジュリン
